日本のニュースや時事ネタについて、海外から見て考えてみる。
外(海外)から見ると違った見え方がするものである。
日本のIT相が「はんこ議連」会長を辞任
本日某ニュースに、『竹本IT相が「はんこ議連」会長を辞任』とあった。
文字だけ読むとはっきり言ってどうでもいいが、トップニュースだ。
私も中国に来たら日本とは違うのかと思ったが、勤め先は日系企業ということもあり、部下の書類の承認は勿論『はんこ』である。
中国のはんこ(印章)
では、中国ローカル企業の承認はと言うと、他の外国企業同様『サイン』である。
中国のはんこ(印章)は現代では、芸術品の意味合いが強く、ヒスイ等の高価な石を印章に仕上げて、贈り物にしたりする扱いである。
よく山水画とかの横に、自分の名前を朱肉で押すアレです。
はんこ議連とは
そもそも、はんこ議連って何?って思ったのでインターネットで調べてみると、
『日本の印章制度・文化を守る』議員連盟とのことであるが、その他活動内容等の情報一切無し、うさんくさ。
おそらくはんこ業界なるものがあって、その業界と議員が繋がってる連盟なのでしょう。
まぁ色々な業界はあるので、この業界がダメってわけではないですからね。
ではなぜニュースで盛り上がってるかというと、この業界を守る為に日本のデジタル署名は遅れてるんだ!ということらしい。
言ってる事は分かるが、デジタル署名=はんこの消滅、みたいな考え方が先行しているようで、ちょっと極端ではないかとも思う。
文化は文化、ビジネスはビジネス
外国に住んでる身としては、もう少しシンプルに考えたほうがいいのではないかと思う。
はんこ文化=ビジネス承認ははんこ、という考え方を捨てるとか。
中国と同様にはんこを文化芸術として残していくのは個人的には良いと思うし、デジタル署名とごっちゃにしてしまうからいけないのだと思う。
はんこは文化を残していくということに特化して生き残っていけば良いことだし、デジタル署名はデジタル署名で進めて行くという考え方を明確にして、この大臣が発言すれば、辞める必要もないのではないかと思う。
竹本IT政策担当相「デジタル化とはんこの継続ということが、利害が相反するときは、デジタル化を進めるというのはわたしの仕事でありますから」
この発言からも読み取れるように、はんこ≒デジタル化という概念から逃れられない時点で、脳みそ固まってるのかと。
こんな発言してる人には既得権益を変えるのは無理か、台湾のIT大臣の所に勉強しに行け。
そもそも百均のシャチハタが殆どなのに、ビジネス分野のはんこを後生大事にまもっても薄利多売のような気がするが?
それよりも、文化芸術として高級品として扱い、車や家を購入するときに使う『印鑑証明』みたいな一生に何回かしか押さない、絶対偽造されたくない為の世界に1つの高級品にした方が儲けがいいのでは?
安物大量消費から高級少量志向へと時代は変わりつつあり、日本は乗り遅れてます。
実際私の印鑑証明用のはんこも高級品で10,000円しますが、一生物だと思ってるので値段が高いと感じたことは無い。
材料は黒水牛の角です、最近はチタン材も人気があるようです。
このような文化的価値が高いものは、外国人が旅行したときも欲しくなるかもしれませんね、なんせ欧米にははんこが無いから。
コロナ後のリバウンドインバウンドでは、外国人の名前に漢字で当て字をしてハンコを作るサービスが人気だそうです。
こういうのはハンコ文化として素直に良いと思いました。
日本人と中国人の考え方の違い
はんこははんこ、デジタル署名はデジタル署名という考え方が出来ないのは、日本人の悪い癖だと思う。
日本人は、物事を何でもごっちゃにして考える傾向が有り、よく言えば複雑なことを同時に考えれるのだが、悪く言うと単純思考を良しとしないということである。
中国人の考え方は、『これはこれ』『あれはあれ』である。
新型コロナウィルスが蔓延しはじめた頃、日本は中国にマスクを沢山送りました。
しかし、その後中国は日本を含む諸外国からの入国を禁止しました。
そのニュースのコメント欄に、『日本はあんなにマスクを送ったのに、突然入国禁止にするなんてなんて恩知らずな』というのを見かけましたが、中国人を理解していません。
マスクを貰ったことは感謝する(少なくとも周りの中国人やタクシーの運転手から感謝の言葉を貰いました)、でも入国禁止にする、『これはこれ』『あれはあれ』なのである、おそらく逆のことを日本がやったとしても、中国人からすれば『まぁ仕方ないよね』で済むと思う。
まとめ
はんこ業界で仕事をしている方の生活もあるので、急激に変わるということは無理かもしれないが、時代は常に代わって行ってるので、世界に置いていかれないベストな案を考えて欲しい。
今どき外注すれば電子印鑑なんか簡単に導入できるんです。
ただ大手の会社になればなるほど、社内のIT部門が外注を取り入れるのを阻止するんですよね・・・。
こういうのを試しにやってみて失敗だったら引き返すことも出来ると思うが、日本はどうも「まずやってみて」というのが難しい、お偉いさんが多いので難しいのかな。。