筆者は中国で製造業関係の仕事に従事しています。
日本でも同様の工場で仕事をしていましたが、ここ中国では日本にいる時では、想像もしなかったことが次々起こるんです。
この記事では、製造業について回る『不良品』を中心に話を進めて行きます。
製造に関する不良品に対しての考え方について
製造に関して発生する不良品に対して、日本と中国では考え方が全く異なります。
特に、発注側に立つとその違いが顕著に見えてきます。
日本
不良品を納入⇒クレーム⇒交換⇒損害補償⇒是正措置/再発防止
「不良品は新しいものと交換します」
「ご迷惑をお掛けしたので、可能であれば損害補填します」
「今後発生しないように、真因を突き止めて対策します」
まぁこれが極々普通ですよね、細かい契約書が無くても大体こんな感じで進みます。
中国
不良品を納入⇒クレーム⇒交換・・・終了
「不良品?あー捨てといて、新しいのすぐ納入するから」
「え、不良品使ったの?ちゃんと確認して使ってよ、損害補償?不良品使ったのはそっちでしょ」
「再発防止=担当クビにしたよ」
こうです(笑、担当クビか~、確かにそいつ居なかったら不良品出来なかったかもねー。。。
私の周りだけですか・・・?
このように、そもそもの考え方が違うものだから、お互いの話が一向にまとまらなく平行線のまま。
よって、日本の会社と中国の会社の製造業同士で、色々な問題(というかイザコザ)が発生します。
時にはマジ切れで喧嘩になります。
損害補填について
損害が発生した場合、当然発注側は下請けに請求するのですが、まぁゴネるゴネる。
第一声は、先ほど述べたように「なんで不良なのに使ったの?、使えるってことは問題ないんじゃないの?」ってまず不良品納入すんなボケ。
ちゃんと契約書を取り交わしておかないととんでもないことになりますよ。
契約書交わしてても裁判まで持ち込まれるとかよくあることですから。
日本の会社を相手にするのと同じ感覚で相手すると痛い目に合います。
今後の対策とか防止策とか
対策レポートとか、再発防止レポートとか書かせたら、本当に中身の薄っぺら~い物しか来ません。
本当、何言ってんの、この人たち・・・
自分が本社に報告する立場だと、マジ終了です、不良品出した会社に入って、一番先頭で旗振ってあげないと終わりません、その会社の人間は?って、ものすごい他人事ですよ、殴ってやろうか!
不良率の考え方
量産品を作るうえで、大切なことは自社内の工程内不良率が何%になるのか?
不良率が低い=利益の創出
不良率が低い=顧客への不良率の流出防止
日本の製造業じゃ、当たり前の話です。
日本の会社だとそうですね、不良率が1%以下だと日程とかも考慮して、まぁ量産開始して後々改善していけば良しと判断するのですが、中国の会社はというと・・・
30%でも量産開始!
胸貼って言って来ますから「量産しながら不良率下げるので大丈夫!」
いやいやいや、具体的計画とか無いよね・・・。
絶対信用しないほうがいいです。
そんな高不良率で量産開始してるもんだから、来るわ来るわ不良品。。。
そして直行率悪いもんだからしょっちゅう納期遅延。。。
勘弁して下さい。。。
自主的かそうでないか
日本の会社だと、図面を渡して、補償範囲等綿密に決めておけば、相手は勝手に色々考えて、自分たちで改善して、問題があれば連絡してくれます。
中国の取引先ですか?一切無いです。。。
納期遅延を起こして現場に行って初めて、現場の担当が「規格が厳しすぎて作れない」今いうな!って相手の営業に行ったら、その営業と現場がその場で喧嘩を始める。。。
すいません、もう帰ってもいいですか・・・。
社内ルール
社内ルールとか規定ってあるじゃないですか?
ルールだけ作って守るのは日本人。
ルールを出来るだけ自分都合のいいように解釈するのが中国人。
他人を攻めるときは「ここの規定に書いてあるじゃないですか」と言い、他人から責められるときは「そんな規定を承認した覚えはない」って、お前の承認なんか必要じゃないんじゃ!
そしてルールを守ってない時に指摘すると帰ってくる衝撃的回答「罰則のないルールはルールじゃない!」
確かに中国資本の会社には「始業時間にスマホを使ったら罰金1000元」とか掲示してあって、罰則厳しい〜。
なので重要な規定には必ず罰則を設けること、性善説は通じない。
まとめ
と、一事が万事こんな感じです。
慣れれば大体予想が付きます(というか学習能力が無いので、毎回同じ失敗をやらかして、前同じことあったよね?っていうと完璧に忘れてます、完璧です、1ミリも覚えてませんから)ので、先に回りこんで、危なそうなところは潰しておくという技を身に着けました。